【U12】GIFT
こんにちは。 HCの谷村です。
本年度の大会、チームは昨日の区大会最終日をもって終了しました。
結果は準優勝、素晴らしいタイトルを頂きました。

スポーツは人々に感動を届けるためのエンターテインメントだと思っています。
スポーツの価値は、パフォーマンスによってどれだけ人の心を動かすことができるか、感動を与えることができるかによって問われます。
”教育”はそのプロセスにあり、人々を感動させるために身につけなければいけないスキルやファンダメンタル、人としての在り方、マナー、多くのミッションが存在します。
指導者というのはそのミッションを選手たちに授ける使命があり、取り組んでいるうちに気がつかない間に、「与えた気になっている」ことに気がつきました。

選手が一生を彩るような素晴らしい指導を、経験を、教訓を贈ることが”グレートコーチ”の目指すことだと思っていた私は、その言葉の裏側にあるものを見てきたのが昨日の出来事でした。
”One Team"
この言葉を最初に使った時は、子どものモチベーションをあげるためのただのワード、緊張をほぐすために少しふざけながら使いました。
最初にこの言葉を捉えてくれたのは、女子チーム。
学年間で思いに少しばらつきがあったり、限界のラインにギャップがあったり・・・
でも、5年生が6年生のために体を張った熱いプレーを初めて見せてくれたのは6年生のとってのラストゲームでした。
反対側に座っている観覧ベンチから、保護者の熱い思いがこちら側ベンチにも伝わってきます。
決して高くはないレベルな試合にも関わらず、一進一退で懸命なプレーをする選手たちを会場中が注目しているシーソーゲーム、追い上げる展開。
会場が子どもたちの成長を見守る"One Team"でした。
昨日の男子、大舞台での戦い。
色々なものを背負って挑んだ戦い。
初めて進んだ準決勝や決勝の舞台では、 全ての人がきっと「このチームはなんだ?」 「どうせ負けるだろう」
そう思ったと思います。
しかし、全大会でベスト4を唯一守った彼らの最後のゲームは一味違いました。
「4番のプレーが好きなんだ」
「今日もたくさん走ってくれるだろう」
「応援してるよ」
「谷村さん、頑張ってね!」
私が関わった全ての選手、保護者、指導者の皆様が応援をしてくれる、
うちの健闘を楽しみにしてくれている。
決勝ゲームは遥か格上の相手、厳しいゲームが予想されていました。
選手の心が折れるのではないだろうか、不安も大きいです。
”ここまで連れてきてくれてありがとう。会場を見てごらん。このままただ負けたら、観客が楽しみにしていたゲームはできないよ。君たちはやってきた。敵ばかりだったのが、今はみんなが応援してくれている。みんなが4番や君たちのプレーを楽しみにしている。楽しみにしているみんなを裏切ってしまうか、最後まで諦めない懸命なプレーを見せることができるのか、終わり方は選手が決めなさい。僕は、みんなのベストが見たい。感動をみんなに届けて欲しい。”
ハーフタイムで選手に伝えた言葉です。
迎えた3Q、選手は相手チームを圧倒し、会場中が大きな声援を送ってくれました。
まさに、会場全体を"One Team"に巻き込んだ瞬間です。
試合終了のブザーがなった瞬間から、
今まで自分が選手たちに「与えてきた時間」が走馬灯のように、記憶が鮮明に蘇ります。
込み上げてくる涙と
どんどんと思い出される選手と過ごした日々、
与えていたと思っていたはずが、次々に思い出される選手からもらった"GIFT”が胸に突き刺さりました。
そして1番の大きな贈り物は、会場中を巻き込んで"One Team"にしてしまう彼らのひたむきで諦めることを知らない逞しい姿そのものでした。
友情、ほほえみ、フェアプレーの精神がミニバスが掲げるスローガンであり、勝つことが全てだと教えてはいけない。
大会を総括した偉大な先生からのお言葉です。
勝つことのみを教えていたら、きっと選手たちは途中で諦めていたに違いありません。
パフォーマンスで会場に感動をもたらすことはなかったと思います。
チームメイトを愛する彼らの姿、チームメイトのためにプレーをする姿、強い相手にも懸命に正々堂々と立ち向かう姿に多くの方の心が動かされたのだと思います。
GIFTは、与えていると思っていても気がつくと知らず知らずにたくさんもらっているものだと感じた、そんな素晴らしい1日でした。
そして、素晴らしいチームでした。