【代表・谷村】クラブが見つめていくこと
1、前書き
今年は本当に大変な1年になりそうです。クラブが始まって以来、いや私が生きてきた、たった27年間でさえもこのように大変な1年はなかったです。新型コロナウイルスの感染拡大は世界中を震撼させる緊急事態を引き起こし、今もなお各地で猛威を奮っています。緊急事態宣言時と何も変わらずに、ウイルスは今日も人類を脅かしています。
日本全体が初めて過ごした自粛期間は、選手にとってもクラブにとっても多くの影響を与えたに違いありません。多くの場合は悪い変化を。しかし、少しくらいは良いことがあったと思っています。
タフな毎日を過ごす選手たちやお仕事に励むお父さんお母さんにとって、家族と過ごす時間はとても良い時間だったのではないでしょうか。いつも以上に家で過ごす時間が伸び、たくさん勉強する時間があったり、趣味に目を向ける時間ができたのではないでしょうか。

ようやく活動が再開できた背景にはウイルス感染の収束があったわけではなく、考え方がかわっただけに過ぎないと私は考えます。スポーツ界が大会の再開のために打ち出している指針のほとんどは緊急事態宣言に準拠したものになっています。世の中が自粛している時はスポーツ活動も自粛しましょうねという当たり前のことを言っています。
今は世の中が自粛せずに経済活動を再開することやウイルスありきで対策をしながら生活をしっかりしていきましょうねと考えています。
私たちは、自粛によって多くの時間を失っています。これ以上貴重な時間を失わないためにみんなが協力し、しっかりとウイルス対策をして、与えられた時間を大切にしていくことしかできません。
2、時間を取り戻すことはできないから前を向く
思い返すと、卒団していった卒業生としっかりと節目を過ごすことができていません。現中学1年生や高校1年生のみんな。一緒に一年間を戦ってきて、お別れを言えずに今を迎えています。選手たちはきっとよくやっていると自信を持って言えますが、卒団を見届けてあげたい気持ちはありました。しかし、限りある時間は待ってくれないのでクラブはさらに強くたくましく戦っていきましょう。
ただし、いつもと同じではいけません。小学6年生に許される時間はあと6ヶ月、中学3年生もあと6ヶ月もありません。
5年生も残り時間はわずかです。中学2年生も8ヶ月くらいしか時間はないですよね。引退や卒業はもうすぐそこまできています。
立ち止まってしまう時間はないですよね。どんなに悔いても時間を戻すことは誰にもできないので、前を向いて一瞬一瞬を大切にしていきましょう。
3、人を感動させるためにバスケをしているクラブであり続ける
ペンギンズバスケットボールクラブは追求してきたことがあります。クラブ設立から今まで地道に積み上げてきたものがあります。何のためにバスケをするのか。これがクラブ全体で共有している問いです。
クラブでは、幼児・小学生ミニバスケ教室、U12クラブチーム、U12・U15スキルスクール、U15クラブチームなど多くのカテゴリーに分かれてそれぞれの活動をしていますが、根本的には同じ信念のもと活動をしています。
『人を感動させる』
これはバスケットボールのみならず、スポーツシーンには欠かすことができないスポーツに取り組んでいる人が掲げている大きなミッションです。

クラブはスタイルを追求してきた。
ペンギンズバスケットボールが掲げてきたことは、見る人を感動させるプレー。ひたむきな姿勢、バスケット
に真摯に向き合う姿、対戦相手、審判、観客、仲間へのリスペクト、全ての人への感謝など多くの思いを抱いてコートに立つことで表現することができます。そして、コートの上では高い技術を披露する
ことも大切です。 これがクラブが掲げているスタイルそのものです。
高い技術が必要なDDMOを展開すること。 ペンギンズが取り組んでいるオフェンススタイルは、DDMO(ドリブルドライブモーションオフェンス)。モーションオフェンスに取り組んでいます。一般的に、モーションオフェンスというものは習得の難易度が非常に高く、高いスキルはもちろん、多くの経験が必要になりますので育成年代で取り入れることは難しいとされています。
しかし、欧米諸国やアメリカでは9〜10 歳でこれらの戦術や必要な技術を学んでいくと言われています。
渡米経験のある私は、どうにかこれらの戦術を育成年代に取り入れることはできないか考え、このクラブを設立したところもあります。
この戦術で、育成年代界に衝撃を与えたい。感動を巻き起こしたい。そう考えて取り組んでいます。
https://note.com/preview/n4096fc2462d8?prev_access_key=f60ef2c5943dc03246467387bed69231
当然ですが、クラブの練習時間だけではDDMOを習得、発揮することは難しいです。なのでスキルスクールを昨年開講しました。ス
キルスクールではDDMOという戦術をベースに必要な知識や個のスキルのインプットを行って
います。クラブで活躍を目指した時に当然履修していただきたい内容をスキルスクールで行っています。もちろん他のチームに所属している選手もスクールに入会しております。
ミニバスケ教室では、競技の入り口としてまずはバスケットに楽しんでもらえる場所を提供しています。まずは好きな気持ちがないと、人を感動させられる選手には成長できません。
ステップをクラブの中に多く設けて、子どもたちに合わせた環境づくりから血の通ったコミュニケーションを大切にするクラブであり続けたいと考えています。

U15選手も同じです。 世界に羽ばたいていく選手を育成したいU15年代です。私の中で世界を意識したレベルで環境を作っていきたいですが、まだそこまで至ってはいません。ですが、世代をリードする、地域をリードする選手たちが頑張っています。多感な中学生という時間をこのクラブでどう過ごしていくかという部分から将来のキャリアを考えた活動内容に選手たちは非常によく取り組んでいます。感動を与えていくこと。選手の成長はすでに多くの人を魅了しています。
これらがここまでのクラブが目指して来たスタイルと、これからも追求していくスタイルです。これからもかわってはいけない部分です。
これからの活動は、ある意味変わらなければいけない部分が多いと思います。新たな生活様式、ウィズコロナ。でも変わってはいけないクラブの本質はそのままに、まだまだ短い歴史にはなりますが、先輩たちが築きあげてきたものをコロナで失うわけにはいきません。
さらに強くならなければいけないのです。みんなで良い変化を生み出して、クラブをどんどんイノベーションしていきたい。これが今私が考えていることです。