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『挑戦』するクラブであること




2020年は非常に苦労を重ねた年でした。特にU15カテゴリーは一番新型コロナウイルスの影響を受けたカテゴリーで、中学3年生には非常に悲しい思いをさせてしまったと思います。色々なことを我慢せざるを得ない1年間に、果たしてこのままでいいのかという疑問符が常に頭をよぎります。人命がかかっているというところに慎重な判断を必要とするところ、代表として果たして正しくハンドリングできているのか、こちらも常に疑問ではあります。

本当であれば、クラブが大きく飛躍する年だった2020年を振り返り、次年度に向けた取り組みと今私が考えていることを共有したく思います。


代表の谷村が書きます。




多くの選手、家庭のためにあるクラブであるべき


新型コロナウイルス、これは今までの常識を覆すほどの影響力がありました。選手ファーストと掲げているはずなのに、どれをとっても選手ファースト・・・しかし、選手はどの選択肢をとっても満たされないこの葛藤だありました。 2015年のクラブ設立から私は断固として譲りません。選手のためのクラブであるということ。運営のしやすさ、家庭のニーズ、様々なことがクラブ運営にはつきものです。学校からの要望など考えることは活動のデザインだけではありません。どの年代でもこの基本理念は変わりません。


クラブの変遷を見てみます。 2016年に上北沢MBC(現U12)の活動が始まりました。この時はこの年代における選手ファーストがよくわかりませんでしたが、ボランティアとして家庭と二人三脚で一緒に歩んでいくことがミニバスの全てだと思っていました。 今でもそのボランティアが作り上げるクラブの良さにはリスペクトをおいています。 しかし、活動をしていく中でこのボランティアが一体何のか分からなくなりました。 バスケットや子どもに博愛して、自分の全てを捧げろとばかりに要求は強くなります。 何のために?それは子どものためだと全ての人はいいます。違う視点から見れば、自分に子どもたち、ミニバス界のために、我が子のために。 対象は違ど、要求は同じです。自分のために働いてくれというのがこのボランティアの本質です。


このような批判的な視点を持ちつつも、人のために働くことが自分のためになると私は信じているため、嫌がることはありません。バスケットボールコーチをプロとして行っている私を始め、ペンギンズバスケットボールクラブとしてはこのボランティアも心から楽しんで行います。

でも、実はクラブのためというのが一番強いと感じています。 どんな選手との出会いも、どんなチームとの出会いも、やっぱりこのクラブが好きだから頑張ってきたのであって、別に保護者のニーズを満たすために試行錯誤をして商売(ボランティア)をしているのではないですね。多くの選手たちがこのクラブで過ごす時間が、人生における価値ある時間とするために我々は本気なのだと。


U15は設立からボランティアが必要な環境ではありません。それは、収益の追求のためのサービスが提供されるからと勘違いされる人も多いかもしれません。

違います。

U15のテーマは『自立』です。これは中学校が’掲げる教育目標でもあります。部活動とも同じです。保護者がボランティアで行ってきた部分を今度は選手自身が行います。しかし、それに応じた成長環境を用意するのもクラブの努め。そこのサービスが違います。


ボランティアをしないと所属できないクラブ

残念なことに、クラブ内でのボランティアが強制になってしまうのが「公平性」というかなり強い言葉です。設立から一度たりとも公平性を歌ったことはありません。が、残念ながらこの公平性を保てないとクラブの存続はできないというのが不思議な課題です。

いつしか、入会条件にボランティア活動ができる人という見えない入会条件が追加されています。当然ながら、全員がクラブの支援を行わなければクラブは潰れます。でもそれを強いることはボランティアとは言わないです。

これはミニバス業界に蔓延る問題点です。

この課題はどのような形であろうと解決しなければいけない問題です。

ここ数十年で価値観は大きく変化しています。そして、コロナによって世の中はまた大きく変わりました。



そもそもコーチがやってきたこと

同じく、ボランティアとしてコーチがやってきたことは、選手に愛情を注ぐということです。バスケットを教える指導者がもし、小学生年代にいるのであればコーチをやめるべきだと思います。

小学校の頃に学ぶバスケットなんて将来の何の役にも立ちません。そんなこと以上に、好きなことに取り組むことだとか、好きなことを好きでい続けるための努力とか、そういうものの方がよっぽど大事です。

ペンギンズは内部の選手でさえもスキル指導を行うスクールとスクールとクラブというチームの活動は分かれています。それはそれぞれを分けることが選手の成長の1番の方法だったと判断したからです。

そしてそれは全ては「選手に愛情を注ぐこと」に限ります。別にスーパースターを育成するから対価を支払ってもらっているのではなく、ボランティアでも行っていることと変わりません。これはコーチが行うサービス内容が変わっても変わりません。

例え送迎を行っても、引率で保護者代わりの業務をしても選手に愛情を注ぐために行うということは変わりません。



ボランティアの対価として得ていたもの

この5年間で我々は人に何かを与えていただけではなく、たくさんのものを貰っていました。それはクラブにおける財産でした。これはお金だけではありません。『人』です。

確かに資金力に優れているクラブは様々な面で多様性を手に入れていたり、素晴らしい設備があったり、素晴らしい人材がいたりします。ミニバスも少なからずそういった環境が生まれ始めていることは事実、競争も生まれています。

確実にそういう時代にも突入していきます。

しかし、ペンギンズはまず、『人』という財産を得ました。多くのサポーター、協力、選手、それほ心強いものはありません。

これはボランティアでないと得ることができなかった財産です。

特別、私の周りにいて今でもたくさん助けてくれる人たちはクラブだけでなく、私の人生にとっての財産でもありますね。



設立から3年で運営は安定を


設立から3年は激動の3年間でした。プライベートは0。全てはこの団体のために捧げてきましたし、それが正義だと思っていました。でも、間違ったとは思っていません。

文字通り、U12に全てを捧げた3年間でした。

色々なことを学んだ3年でもあります。人の暖かさ・・・など。

でも、逆に人間の冷たさ、腹黒さなどを感じる痛烈な社会勉強の3年間でもあります。



常に矢面に立たされる代表という存在

組織をハンドリングする代表という立場、これは非常に難しいものです。始めは23歳でしたね。それだけで舐められる日々です。これは誇張ではありません!常にマウントを取られる日々は非常に屈辱的でした。が、まぁ結果を出していない人間としては当然のことです。大した問題ではありません。必死に何かを築き上げようと必死だったに違いありません。だから全てを捧げた3年間だったのかもしれません。

しかし、運営こそ確立されれば、やることはあまり多くありませんでした。

でも、運営が確立してからどんどん自分が思い描いているクラブから離れる部分が出てきます。

それは仕方がないこと、でも逆に人の色や思いがたくさん入っていると思い、変化を楽しんんできました。これからも変化を楽しんでいくつもりです。

別に偉そうにしたいわけではない私にとっては代表という立場は、革新的はことを推し進める以外に必要のない立場です。嫌になっちゃう時も本当にたくさんあります。



安定があるからできる改革

安定していない時期は目の前に常に必死でした。選手の育成もそう、クラブの運営もそう、目の前のことに必死な時はいいアイデアを実行する余裕も時間もありませんでした。

今クラブが改革に乗り出せるのはクラブにゆとりがある証拠です。

改革は単純に考えると非常に苦労が伴うものです。しかし、この余裕に甘んじてしまうと近い将来、クラブは沈没します。これは目に見えていて、サッカー界の変遷を見ているとよくわかります。

NBA選手になりたい!そんな選手を育成している弊クラブがどの道に進むかというのはもういうまでもありません。

沈没をとるか、今また昔みたいに必死になって戦い続けるか・・・

これは日々子どもたちに行っていることと同じで

「コンフォートゾーン」を抜け出すほかないのです。安全地帯にいて成長することはあり得ません。学びは世界の外にあります。大人はわかっているはずなのに、多くの大人はチャレンジをしません。

子どもにチャレンジをしろと言うのに、しないのは大人です。

クラブも同じ。成長をとるか停滞をとるか。ちなみに停滞は退化と同じです。





私の、クラブの使命を忘れない


選手ファーストそれは業界全体でできていない課題である

まだまだ競技環境そのものは考え続けなければいけないと思います。そのステップで忘れてはいけないことが温故知新です。そしてかつての競技環境を支えてくださった方々へのリスペクトを忘れないことです。

歴史を無視して新たな歴史は作られません。

ハラスメントの廃絶など選手に近いところも課題ですし、競技そのものを支える構造ももっともっとできるはずです。

それを考えていくのはクラブ設立の理由でもあります。



感動を与える選手を育む

これは私のエゴです。感動を与えられる人材は必ずストロングポイントを持っています。長所を育み、その長所で人を感動させることができるのが人の素晴らしいところで、スポーツの価値でもあると私は確信しています。

ペンギンズバスケットボールクラブはそんな人材を育成しますし、私はそういった人材の育成の支援を行います。

スタイルのないところに感動はあり得ません。

どんな環境であろうとペンギンズ、私がいるところにはこの考えがあります。




さて、どんな将来を想像していくか


色々な意見はあれど、クラブは常に変化をしていくものです。

そこに残る人間もどうなっているかはあわりません。

でも、大事なことは常に考え、ベストな環境を選手に提供していくと言うことです。

そのための苦労は大人がすればよくて、将来も、その先、その先の先と考えていくことをやめてはいけないのです。

私はビジョンをたくさんイメージして、成功と失敗をイメージしていくことはやめてはいけないし、そのビジョンを常に発信することが使命でもあります。

失敗することはもちろんありますが、失敗は成功のもとで、チャレンジをしなけれ失敗も成功もなくて、幼児でもわかる至極当たり前のことに頭も体も目一杯使って全身全霊で進んでいくしかないのだと思います。


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